Excel-08-2: 物理の問題に対する答案を Word と Excel で作ってみよう

これまで、Word と Excelを複数回学び、少しずつ操作に慣れてもらった。

今回はそれらの総仕上げととして、より実践的な課題に取り組むという目的で、
物理の問題に対する答案を、Word と Excel を用いて作成してもらう。

本ページの演習では、新しい知識はほとんど学ばない (ちょっとは登場するが)。
ここまでの知識でほぼできるということが重要である。

例題と模範解答

例題とその模範解答を示す。

[例題]
[問題1]
ボールを 20 [m/s] で鉛直に投げ上げるとする。 投げ上げてから時間 t [s] が経過した後のボールの高さ ([m]) を求め、t に関するグラフとして表せ。ボールが地面達するまでの時間までで良い。 時刻 0 [s] においてボールを投げ上げた瞬間の高さは 0 [m] とすること。 なお、空気抵抗は無視できるとし、重力加速度は g=9.8 [m/s2] とする。

[問題2]
[問題1] で投げ上げたボールが地面に落ちて来るのは、投げ上げてから何秒後か。


この問題に対する模範解答は以下の通りである。これは Word と Excel を用いて作成されている。

[模範解答]


見て分かるように、 を求めている。 ことに注意しておく。また、変数や数式は全て数式ビルダで記述されていることにも注意。

なお、上記の模範解答は、ほとんどがこれまで学んだことだけで記述されている。

さて、いくつかの補足を以下で述べる。


数式はどこで使われているのか

数式機能を使った場所を下図に示した。数式機能の利用は慣れないとかなり大変である。
手を抜かず丁寧にファイルを作成しよう。




グラフはどのように描いたのか

文書中のグラフはもちろん Excel で作成し、Excel-07: 理系の論文スタイルでの Excel グラフの Word への貼りつけの内容に従って Word に貼り付けている。

では、グラフはどのように作成するかというと、Excel-03: Excel を用いたグラフ作成 (理論グラフ作成)を元に作成するのである。

このとき、数式「y = 20t - (9.8/2)t2」をどのように Excel で実現したかというと、下図のようにである。
なお、グラフの縦軸の最小値を 0 にしていることに注意。縦軸が負の状態は、ボールが地面にめり込むことを意味するためである。




数式の途中で改行

模範回答の最後の行 (「≃ 4.08」の部分) は、「数式の途中で改行」している。
これはここが初出であるので、以下で解説する。

教科書などを見ると、下図の様に「式の途中で改行し、1行目と二行目とで=をそろえる」ということがしばしば行われている。



これ実現するためには、まず、数式を改行せずに1行で書いてしまう。そして、改行したい位置にカーソルを合わせる。



そのカーソルの上でマウスの右ボタンをクリックし、「任意指定の改行を挿入」を選択する。



そうすると下図のように改行されるのだが、まだ上下の=が揃っていない。
そこでおもむろにキーボードのキーを複数回押す。



すると、2行目の「=」が1行目の記号(「+」とか「-」とか)に揃うように移動する。
何度かキーを押すと、ちょうど上下の「=」が揃う位置にくる。これで完成。







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