ロジスティック写像の分岐図




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ロジスティック写像の時系列」に引続きカオスを生む簡単な写像であるロジスティック写像

xn+1=axn(1-xn)

(ただし、2 < a < 4)
を考えます。この写像はパラメータ a の値、および初期値 x0によってカオスを含む様々な系列 xn を生み出すのでした。

そのような系列として最も簡単な例は、x0 を [0,1] のどの値にとっても、系列 xn が固定点に収束する場合でしょう。これはパラメータ a の値が 2 と 3 の間にあるときに実現されます。そのことは「ロジスティック写像の時系列」によってもわかります。
このように初期点の集団ががダイナミクスによりある集合に収束する場合、その行き先のことをアトラクターと言います。
上で見たのは固定点がアトラクターとなっている場合です。

では、パラメータ a が 3 を超えたときは系列 xn はどうなるのでしょうか?
やはり「ロジスティック写像の時系列」により確かめられますが、実は系列の収束先が固定点ではなく、周期 2 の周期解となります。
つまり周期 2 の周期解がアトラクターとなります。
さらにパラメータ a を大きくすると収束先の周期解の周期が 4 、 8 、 16 と倍々になり、ついにはカオス的な時間変化が現れます。このようにパラメータの変化に応じて解が変化していくことを分岐現象といいます。

このページのシミュレータは、固定点からカオス解に至るルートを可視化した分岐図を表示します。
横軸がパラメータ a 、縦軸が系列 x です。 一本の線から二本に分岐するところでは「固定点から周期 2 の周期解」への分岐が起こっており、
周期 2 から周期 4、周期 4 から周期 8 という熊手状の周期倍分岐を観察することができます。
なお、カオスが現れるのはこの周期が無限大となるおよそ a=3.5699456 程度です。
この周期倍分岐によるカオスの出現は、エネルギー散逸のある散逸系の多くのモデルにて見出される普遍的なものです。

マウスのドラッグにより領域を指定すると表示領域が拡大されますのでお試し下さい。
細部を観察してゆくと、同じような分岐図が内部に埋め込まれていることがわかります。
このような自己相似構造をもつ図形をフラクタルといいますので、
この分岐図はフラクタル性を持っていると言うことができます。

また、およそ a=3.831874055 から 3.857082826 の範囲で、周期 3 の周期解とその分岐解に対応するが見られます。
リーとヨークが 1975 年に「周期 3 はカオスを示唆する」という論文を発表しましたが、その周期 3 の周期解が見えているというわけです。

参考

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