これは1 年生の Visutal Basic においても (さらっと流す程度に) 学んでいる。
このような操作は、「2 つのカップに入ったそれぞれ異なる飲物を入れ換える」操作にしばしば例えられる。
それを実現するには 3 つめのカップが必要なことはすぐわかるだろう。
それを実現するのが以下のプログラムである。このプログラムを実行するため、
「第一回-03 初めてのC/C++ プログラミング(コンソールアプリケーション編)」を参考に
コンソールアプリケーションのプロジェクトを作成し、太字の部分のみを適宜コピーして貼り付ける。
#include <iostream>
int main()
{
int x = 10;
int y = 20;
std::cout << "[交換前]\n";
std::cout << "x=" << x << ", y=" << y << "\n";
int tmp; // x, y の交換のために一時的に使用する変数
tmp = x;
x = y;
y = tmp;
std::cout << "[交換後]\n";
std::cout << "x=" << x << ", y=" << y << "\n";
return 0;
}
|
結果は以下のようになる。x と y の値が交換されていることを確認しよう。
その関数は x、y を引数としてとる swap 関数とする。
太字の部分が上から変更した部分である。同様に変更し、実行してみよう。
#include <iostream>
void swap(int x, int y); // 関数のプロトタイプ
int main()
{
int x = 10;
int y = 20;
std::cout << "[交換前]\n";
std::cout << "x=" << x << ", y=" << y << "\n";
swap(x, y); // 関数による交換操作 (?)
std::cout << "[交換後]\n";
std::cout << "x=" << x << ", y=" << y << "\n";
return 0;
}
void swap(int x, int y)
{
int tmp; // x, y の交換のために一時的に使用する変数
tmp = x;
x = y;
y = tmp;
}
|
結果は以下のようになる。x と y の値を交換するプログラムを書いたはずなのに、 交換されていないことがわかる。
ここまでを確認して欲しい。
何故、swap 関数で x, y の値を交換したにも関わらず、main 関数では x, y の値が交換されていなかったのだろうか？
その理由を、main 関数と swap 関数の実行中におけるメモリのイメージ図を使いながら解説して欲しい。
今回までに学んだ知識では swap 関数を正しく機能させることはできないので、機能しない理由だけを考えてくれれば良い。
A4 用紙に記述すること。手書きで構わない。
(補足)
どこから手をつけて良いかわからない者は、まず
「main 関数と swap 関数における変数 x、y のアドレスを表示する命令を追加し、 メモリのイメージ図を書いてみる」
ことから始めると良いだろう。 交換したはずのものは、何を交換したことになっているだろうか？
(ヒント追加) 「x、y のアドレスを表示する命令」とは、例えば std::cout << "x のアドレスは" << &x << "、y のアドレスは" << &y << "\n" ; のようにすればよい。これを、 ・x と y に初期値を代入している部分 ・値が交換されている部分 ・プログラムの最後に x と y の値を表示している部分 の位置などに挿入し、それぞれの x、y が実際にメモリでどこに位置するかを考えることになる。 「表示している x、y 」と「交換している x、y 」は同じと言えるだろうか？ |
なお、C/C++ においては、「交換したい変数を引数として渡す」という方式では 変数の交換はできない。
さらに言えば、それは Java や C# でも同じことである。
(→ちなみに、Java と C# で今回の課題を実行した例はこちら。ただし、&x などによるアドレス取り出しはできない)
それを実現するには、C/C++ ではポインタや参照という考え方が必要になり、 次回以降学んで行く。
以上の内容は、プログラミングの初心者を脱するためには必ず身につけなければならない知識であるので、
しっかりと考えて欲しい。