第一回-03 初めての C/C++ プログラミング(コンソールアプリケーション編)


初めてのコンソールアプリケーション

それでは、Visual Studio でコンソールアプリケーションを作成する方法を学ぼう。
まず、Windows のメニューから Visual Studio 2019 を起動すると、以下の画面が開く。「新しいプロジェクトの作成」をクリックしよう。



下図のように「コンソールアプリ」を選択して「次へ」をクリックしよう。



次は、下図のようにプロジェクトの名前や保存場所を変更できる画面となる。
お好みで変更して良いが、ここではデフォルトの ConsoleApplication1 という名前のまま、「作成」ボタンを押す。



すると、下図のようなプログラムのひな型が現れる。中央に表示されているのは、ConsoleApplication1.cpp というファイルである。
プロジェクト名を変更した場合は、プロジェクト名.cpp という名前になっているはずである。



プログラムの 11 行目以降は、先頭に「//」が記入されており、全て緑色で表示されている。
後に学ぶが、この「//」により緑色となった文字は「コメント」と呼ばれ、プログラム上は無視される。

そのため、このコメントを下図のように全て削除してしまっても、プログラムは何も影響を受けない。
なお、このようにプログラムを変更した後、キーボードで Ctrl-s (Ctrl キーを押しながら s キーを押す) を実行すると
変更が保存されることは覚えておこう。

変更後は、変更部の行番号部が黄色で表示されるが、保存することで緑色に変わることにも注意。



このプログラムを以下のように変更してみよう。

「Hello World!」の部分を「はじめてのコンソールアプリケーション」に変更し、
さらに、学籍番号を氏名を記した類似の行を追加している。

なお、「\n」はこの2文字で「改行」の意味を表すので、削除しないこと。



記述の際、 に注意。なお、半角文字とは英語入力の文字、全角文字とは日本語文字のことをここでは表す。

また、文法上のことを言えば、以下の点がこの例のポイントである。 正しく書けたと思ったら、Visual Studio のメニューから「ビルド」→「ソリューションのビルド」を実行し、
さらに「デバッグ」→「デバッグなしで開始」およびを実行しよう。

ビルドが正しく成功していれば、以下のようにコンソールにメッセージが表示される。




典型的なエラー

さて、上記のようにビルドと実行が成功すれば良いのだが、初めてだと なかなかうまく行かないかも知れない。
ここでは典型的な間違い例をいくつか紹介する。

まずは、以下の例。



一見良さそうだが、これをビルドすると下のようなエラーがでる。
上のプログラムの赤線部が、半角引用符「"」ではなく全角引用符「”」になっていることが問題である。

VBA では上記のような記述の誤りは自動で直してくれたが、Visual C++ では 自分で気を付けなければならない。



なお、上のエラーは「全角の(日本語文字の)『”』が使われている」ことが原因で出ているのだが、
皆さんが期待するような記述はされていないことに注意して欲しい。

ヒントとなるのは「終わり引用符がありません」というエラーなのだが、意味がわかるだろうか。
これを丁寧に言い替えれば「文字の終了を表す半角の引用符『"』が必要ですが、それがありません」と言っているのである。
その原因は、既に述べたように「半角の引用符『"』ではなく全角の(日本語文字の)引用符『 ”』が使われているから」である。

このように、プログラムのエラーメッセージはプログラムに含まれる問題を示してくれているのだが、
その意味が初学者には意味が分かりにくいことが多い。
それがプログラミング学習の難しさの一つと言えるかもしれない。

もう一つの間違い例は以下である。

これもひと目見てわかりにくい問題である。半角の(英語の)スペース(空白)を書くべきところに、全角の(日本語の)スペースを書いてしまっているのである。



これをビルドすると下のようなエラーがでる。
このエラーの意味も分かりにくい。「' ':定義されていない識別子です」とあり、これが「全角のスペース」をことを意味している。
しかし、問題のある行数 (10行目) はわかるので、それを手がかりに問題の箇所を見つけることになるだろう。



それ以外に、やりがちなミスはセミコロン「;」の付け忘れである。
ただし、それに対しては「';' が必要です」というエラーが表示されるので、比較的気づきやすいであろう。



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