Word-04: 検索・置換、インデント

このページでは、Word の使い方の続きとして、段落書式の一つであるインデントについて扱う。

ここで扱う「インデント」と次のページで扱う「タブ」は、Word の機能の中でもやや難しい部類に属するが、
Word の初心者を脱するには必須の機能であると思われるので、しっかり身につけよう。

Word-02: 文字書式と段落書式において、書式には文字書式段落書式があることを学び、
文字書式としてフォントやフォントサイズ、段落書式として文字列の配置を変更した。
今回学ぶインデントは段落書式の一つである。

まず、インデントを学ぶためにある程度長い文章のファイルを配布するが、
それを用いて、文書編集ソフトでしばしば使われる「検索・置換機能」も学習しよう。

このページで取り扱う内容は以下の通り。



検索・置換

まず、本ページの内容を学習するため、こちらで用意した Word ファイルをダウンロードしてもらう。
こちらの neko.docx を各自のマイドキュメント以下にダウンロードして欲しい。

ダウンロードしたら、アイコンをダブルクリックして文書を開いてみよう。
「吾輩は猫である」の冒頭部分が記述されたファイルになっている。
ちなみに、「吾輩は猫である」は青空文庫で全文読むことができる。



このファイルの中で、「猫」という単語は何回出てきているかを数えるという課題を考えよう。

一字一句目で追っていくのは非常に大変である。 このような時は Word の検索機能を用いると便利である。
この機能は、文書の中から探したい単語を探してくれる。

以下のように、ホームタブの中から「検索」を選択しよう。



すると、画面の左に検索用のナビゲーションが現れるので、「猫」と入力してみよう。
図にあるように、本文中の「猫」という文字の色が変化し、さらに「猫」が現れる回数が「3件」であることを表示してくれる。





[課題]
上記文書中、「猫」という漢字のみ、フォントをMSゴシックに、フォントサイズを16に変更せよ。


では、次に「猫」という単語をすべて「犬」で置き換えるという課題を考えよう。
こちらの課題は「置換機能」を用いて実現できる。

ホームタブから「置換」をクリックしよう。



「検索する文字列」という項目に変換後の「猫」を、「置換後の文字列」という項目に 「犬」を入力する。
そして、一つ一つ確認しながら置換したい場合は「置換」ボタンを、
一括してすべて置換したい場合は「すべて置換」ボタンを押す。

これで置換が完了する。







インデント

次に、neko.docx をそのまま用いて、段落書式の一つであるインデントについて学ぼう。
なお、この neko.docx の本文(タイトル、作者名等は除く)は、3つの段落から構成されていることに注意しよう。
(「吾輩は~」、「どこで生まれたか~」、「この書生の~」の3つ)

インデントとは、字下げのことを指す。簡単に言うと、文書の左右の余白の大きさを決めるものである。
同時に、段落先頭の字下げも調節できる。
これらは段落書式であるので、段落ごとに設定できる。

インデントを設定するためには「ルーラー」というインターフェイスを画面に表示する必要がある。
もし文書の上と左に目盛のようなインターフェイスがなければ、
図のように「表示」タブの「ルーラー」というチェックボックスをチェックしよう。



インデントを調整するためのインターフェイスはルーラー上にある赤丸の部分である。



これは、タイトル部分にカーソルを合わせた場合のデフォルトの状態である。

これらはインデントマーカーと呼ばれるが、それぞれ以下のような意味を持つ。

左側 (▽)段落冒頭の字下げの位置
左側 (△)段落2行目以降の字下げの位置
左側 (□)を同時に動かす
右側 (△)右側の余白の位置


実際に動かして感覚をつかむ方が良いかも知れない。
まず、カーソルを実際にインデントを調整したい段落に合わせる。
ここでは2番目の「どこで生まれたか~」の段落に合わせよう。

インデントマーカーをマウスでつかんで移動させると、例えば以下のようになる。



カーソルのあった段落の字下げが変更されていることがわかる。
また、それ以外の段落(例えば「吾輩は猫である。」の段落)は変化していないこともわかる。

複数の段落のインデントを同時に変更したいときは、
文字書式の要領で複数の段落を選択した状態でインデントマーカーを操作すればよい。



表におけるインデント

以上でインデントの働きについて理解してもらえたと思うが、前回扱った表の中の要素についてもインデントが存在する。
ここではそれを確認しておこう。

まず、前回の表で以下のように「自己紹介」というセルにマウスカーソルを合わせてみよう。



すると、このセルのインデントマーカーが表示される。つまり、表のセルの中の文章も段落として扱われるということである。

なお、細かく言うと、この「自己紹介」とい文字列は中央揃えになっているが、
この左インデントマーカーと右インデントマーカーを基準にして中央になっている、ということである。

同様に、マウスカーソルを「所属」に合わせると、その段落のインデントマーカーが表示される。



同様に、「所属」という文字が、左インデントマーカーと右インデントマーカーを基準に中央揃えになっていることがわかる。

なお、インデントマーカーと同じバーに、以下の図のようなマークが現れる。



このマークは表の区切り位置を表し、このマークを移動することでも表の大きさを変更できる。



インデントの使い所

以上でインデントについてはわかったが、このインデントはどのような時に変更すると良いだろうか。

使いみちの例として、以下のような掲示を考えてみよう。

いま、丸で示された通り、カーソルは「毎年恒例」の段落に存在し、その段落のインデントはデフォルトのままであることがわかる。



注目すべきは以下のように「場所」から始まる4つの段落 (箇条書き) である。
この4つの段落の中にカーソルを置き、その段落のインデントを表示したのが下の図である。



この図のように、箇条書きなどの時にインデントマーカーでインデントを調整すると、文書が非常に見やすくなる。
この機能を知らないと、空白文字を挿入して字下げを行ってしまう傾向があるが、空白によるレイアウトの調節は、ずれることが多いのでお勧めできない。
インデントの使い方を身につけよう。

なお、上の図で、「八王子校舎」や「5月某日」の前に空白が挿入されているように見えるが、
ここでも空白は用いられていない。 これは「タブ」という機能を用いており、次のページで解説する。



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