Word-02: 文字書式と段落書式、書式のコピーと貼り付け

このページでは、Word 文書の見た目の制御方法を学ぼう。
大きくわけて、文字書式段落書式がある。

文字書式とは など、文字の見た目の体裁のことを言う。 一方、段落書式とは など、段落に関する体裁のことを指す。

以下、順に解説する。

文字書式

文字書式を変更するには、文字または文字列をマウスをクリックしながらなぞり (ドラッグ) 、
文字列が選択された状態にすることから始まる。例えば、以下の図の様に「庭には二羽」の部分を選択してみよう。



選択した部分の文字書式を変更するには、「ホーム」タブにある各アイコンを用いる。





フォントの変更 日本語フォントでは 「游明朝 (ゆうみんちょう)」と「游ゴシックLight (ゆうゴシックライト)」が
デフォルトで用いられることが多い。
Word 2013 以前では、「MS 明朝」と「MS ゴシック」がデフォルトだった。
フォントサイズの変更 デフォルトのサイズは10.5。この数字を大きくすると文字が大きくなり、数字を小さくすると文字が小さくなる
太字 (ボールド) 押すたびに「太字←→通常文字」が切り替わる
斜体 (イタリック) 押すたびに「斜体←→通常文字」が切り替わる
下線 (アンダーライン) 押すたびに「下線←→通常文字」が切り替わる


例えば、先程マウスで選択した「庭には二羽」に対して下記の設定を適用すると下図のようになる。 なお、HGP創英角ポップ体がもともと太いので、太字 (ボールド) は適用しなかった。
ボールドボタン「B」を何度かクリックし、もともと太い文字がさらにどの程度太くなるのか確認しておこう。



この他にも、文字書式には様々な設定項目がある。これらを設定するには、文字列をマウスで選択した状態で、 を選択すれば良く、ここから全ての文字書式を設定できる。いろいろと試してみよう。


段落書式 (文字列の配置)

次に段落書式について学ぶ。
Microsoft Word において、段落とは「改行」で区切られた文章まとまりのことを指す

上の「裏庭には二羽~」で始まる例は、一文ごとに改行して5文あるから5段落あることになる。
この段落一つ一つに、文字列の配置(右揃え、中央揃え)や行間隔などを設定できる。

文字書式と異なり、段落書式ではマウスで文字列を反転する必要はない。
設定したい段落にマウスのカーソルを合わせるだけで良い。

文字列の配置はホームタブの「段落」の項目ににある下図の4つのボタンで設定する。
なお、Word のウインドウサイズを小さくしていると、これらのアイコンを見付けにくくなっていることがあるので注意すること。



左から順に「左揃え」、「右揃え」、「中央揃え」、「両端揃え」である。デフォルトは「両端揃え」であることを覚えておこう

例えば、「裏庭には二羽~」の段落にカーソルを合わせ、「右揃え」ボタンを押してみよう
なお、カーソルとは下図のように文字の書き始めの位置にある縦棒のことである。



上図のように、カーソルのある段落が右揃えに変化することがわかるだろう。

では、複数の段落の書式を一気に変更したい場合はどうすれば良いだろうか。
この場合は文字書式と同様に、複数の段落をマウスでなぞって選択してから「右揃え」ボタンを押せば良い



2行を選択した状態で「右揃え」ボタンを押すと、以下のように2つの段落の書式が右揃えになる。



ところで、複数の段落の書式を変更する際、上の図では行を丸ごと選択したが、実際には丸ごとの選択である必要はない。
実は、下図のように設定したい段落にまたがるように選択すればよいのである。



さて、以上で「右揃え」を理解することができた。「中央揃え」もこれと同様に理解できるであろう。
(試してみても良い)

一方、「左揃え」と「両端揃え(デフォルト)」の違いが分からない人はそれなりに多いのではないかと思う。
「左揃え」と「両端揃え(デフォルト)」の違いは、ある程度長い文章を書いていないと分かりにくい。
以下に例を示そう。

下図がデフォルトである「両端揃え」である。文章の左右の端が縦に揃っていることが分かる。



それに対し、「左揃え」では文章の左端は揃うが、右端は揃わない。この違いは知っておくべきだろう。



ここまで、文字書式と段落書式についてまとめるとこういうことである。

段落書式 (行と段落の間隔)

段落書式のメジャーな使用例としてもう一つ、行と段落の間隔の調整を紹介しよう。

「ここでは着物を脱いでください。」の行を対象に設定するため、下図のように3行目にカーソルを置こう。



行の間隔はホームタブの「段落」の項目ににある「行と段落の間隔」ボタンで設定する。
ここでは練習のため、「ここでは着物を脱いでください。」の行の間隔をデフォルトの 1.0 から 3.0 に変更してみよう。



そうすると、下図のように「ここでは着物を脱いでください。」の上下の行の間隔が広がることがわかる。
段落書式である行の間隔がこれで設定された、というわけである。




文字書式のコピーと貼り付け

ここまでに、文字書式 (文字のフォント、大きさなど) と段落書式 (左右の揃え、行と段落の間隔) という2種類の「書式」を学んだ。
この「書式」をコピーして貼り付ける、という方法を紹介する。

Word には「見よう見まねで覚える」ことが出来る機能は多いが、この「書式のコピーと貼り付け」は教わらないと気づけない機能ではないかと思う。
この機能を知っているのと知らないのとでは、卒論などの長い文書を作成する際の効率に大きく差が開くだろう。

文字書式のコピーと貼り付け

それでは、文字書式のコピーと貼り付けから体験してみよう。

これまで編集してきた文書の「庭には二羽」の部分の文字書式をコピーすることを考えよう。
ここでは、下記の文字書式が設定されているのだった。 まず、文字書式をコピーしたい文字をマウスで選択するところから始める。
「庭には二羽」のうち、どれか一文字をマウスで選択しよう (「庭には二羽」の箇所であれば一文字でも複数文字でも構わない)。



その状態で、「ホーム」タブの「書式のコピー/貼り付け」ボタンを一回だけクリックしよう。このアイコンは刷毛(はけ)の絵を表している。



そして、文字書式を貼り付けたい先をマウスで選択する。ここでは最終行の「郵便番号」に貼り付けることにしよう。
刷毛の絵に変わったマウスカーソルで該当箇所を選択し…



マウスを離すと文字書式の貼り付けが完了している。



注意深く見れば段落書式 (右揃え) は貼り付けられていないことがわかる。
以上が、文字書式のコピーと貼り付けである。

段落書式のコピーと貼り付け

次に、段落書式のコピーと貼り付けを体験してみよう。

段落書式をコピーしたい段落にマウスカーソルを配置する。ここでは「ここでは着物を脱いでください。」の行をクリックしよう。

この行の段落書式 をコピーすることになる。



マウスを配置したら、書式のコピー/貼り付け ボタンを一回だけクリック。



そして、段落書式を貼り付けたい段落をマウスでクリックする。ここでは「FBC」の行をクリックした。



上図のように、「右揃え」と「行と段落の間隔3.0」という段落書式 が貼り付けられていることがわかる。
なお、貼り付けたい段落が複数ある場合は、貼り付け時に複数の段落にまたがるようにマウスで選択すればよい。

本ページの演習でつまづきがちなところ

演習を学生に体験してもらったとき、学生がつまづきがちだったところを紹介する。
本ページの演習で目立つのは、全角文字/半角文字を使い分けられないという問題である。

模範例では意図的に全角文字/半角文字の両方を用いたのだが、それらを書き分けられていない。
例えば、「FBC(Fiction Broadcasting Corporation)」の部分は、「FBC」および「()」の部分は全角であり、残りは半角である。
それらを書き分けられていないファイルが多数あった。

なお、下図の例で、半角スペースが「・」で表されているのは第五回で紹介する「Word-05: タブ # 編集記号の表示」の効果である。
先回りして設定しておくのも良いだろう。





全角の英数字は漢字変換でも選択できるし、「Word-01: Word による文書の作成 # 文書の入力」で Fn キーを用いた方法も解説している。
是非使い分けられるようになって欲しい。



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