第十二回-02 オブジェクト指向プログラミングとは
手続き型プログラミングは関数を中心に考えるプログラミング手法であった。
つまり、行わせたい仕事からいくつかの機能を抽出し、それを関数として実装していく、というプログラミング手法である。
それに対し、オブジェクト指向プログラミングは「クラス」を中心にしたプログラミングを行うプログラミング手法である。
クラスとは以下の2通りの考え方で理解することができる。
- クラスとは新たな型のことである。
型とは、char, int, float, double などのことであり、これに自作のクラスを新たな型として追加できる、ということである。
- クラスとは「もの」である。名詞で表されるものはすべてクラスの候補となり得る
これは「憂鬱なプログラマのためのオブジェクト指向開発講座」という書籍で記述されている考え方である。
(この本はオブジェクト指向プログラミングを理解したい学生にはお奨めである)
と書いてもピンとこないかもしれないが、とにかく、これまでの関数ベースの考え方とは違う、ということをまず頭にいれて欲しい。
次に、クラスには
- 属性や状態 (データメンバ)
- 属性や状態に対する処理 (メンバ関数)
の2つの要素が必要である。
以上の知識をもとに、どういうものがクラスになり得るか、その例をいくつか紹介しよう。
[複素数クラス]
まずは「クラスとは新たな型のことである」という考え方に近い例として、「複素数クラス」というものを考えてみよう。
複素数 c とは実部 x と虚部 y と虚数単位 i を用いて、
c = x + i y
と書けるのだった。
複素数は数学的な概念であるから、「新しい型とする」という考え方に馴染みやすいであろう。
そこで、この複素数クラスの属性には実部 x と虚部 y が考えられる。
また、複素数クラスの処理としては、複素数の和、積、絶対値の計算などが挙げられる。
以上の考察を元に、以下のようなクラス図を描いてみよう。
一つ目のセルにはクラス名、
二つ目のセルにはクラスの属性や状態 (データメンバ)、
三つ目のセルにはクラスの処理 (メンバ関数) を書く。
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複素数クラス
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実部 x
虚部 y
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与えられた複素数との和を計算
与えられた複素数との積を計算
絶対値を計算
(などなど)
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[テレビクラス]
次に、「クラスとは「もの」である」という考え方に対応するものとして、「テレビクラス」というものを考えてみよう。
テレビの「属性や状態」としては
が挙げられる。テレビの処理としては
が挙げられる。これらをクラス図としてまとめると以下の通り。
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テレビクラス
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電源の状態
現在のチャンネル
現在の音量
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電源ON/OFF
チャンネル変更
音量調節
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[学生クラスと学生グループクラス]
さて、これまでは「クラス1つのみ」の例を提示してきたが、
実際のプログラミングではクラスは複数になることは日常的に起こる。
そのような例として、ここでは「学生クラス」と「学生グループクラス」を考えてみよう。
「学生クラス」は学籍番号を持った学生を想定している。
そして、そのような学生が複数集めてできるグループ (サークルだったり、研究グループだったり) を考えるのが「学生グループクラス」である。
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学生クラス
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学籍番号
氏名
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学籍番号変更 (休学→復学した際に変わる)
氏名変更 (結婚したり、などの理由で)
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学生グループクラス
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グループ名
学生のリスト (ここに上記の学生クラスが使われる)
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新規メンバー登録
メンバー削除
学籍番号をもとに学生名を検索
学生名をもとに学籍番号を検索
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皆さんは本日の課題で KU-LMS にクラス図を描くことになる。
そのときの書き方の形式をここで解説する。この形式に従っていないと点数を与えないので注意すること。
さて、以下のクラス図を例に考えよう。
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テレビクラス
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電源の状態
現在のチャンネル
現在の音量
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電源ON/OFF
チャンネル変更
音量調節
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この場合、KU-LMS に記述する形式は以下のようにして欲しい。
すなわち、[クラス名]、[属性]、[クラスの処理] の 3 つの項目名を指定してから、それぞれの項目の内容を記すのである。
[クラス名]
テレビクラス
[属性]
電源の状態
現在のチャンネル
現在の音量
[クラスの処理]
電源ON/OFF
チャンネル変更
音量調節
もちろん、皆さんは皆さんの考えたクラスを KU-LMS に入力しなければならない。
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