Windows で ROS2 のシミュレーションを行う (2)
ROS2 のセットアップ

このページでは、 前ページでインストールした Ubuntu 22.04 に、 ROS2 をインストールする。

ROS のバージョンと Ubuntu のバージョンは結び付いており、
Ubuntu 22.04 には Humble Hawksbill と呼ばれるバージョンの ROS2 がインストールされる。

なお、本ページの ROS1 対応版「Windows で ROS のシミュレーションを行う」も用意しているのでお好みで利用して欲しい。
ただし ROS バージョン 2 は、バージョン 1 と互換性がないので注意が必要である。

また、本資料の解説は基本的には ROS の公式チュートリアルTurtleBot3 の公式ドキュメント をベースにしている。

本ページは以下の内容を含んでいる。

ROS2 のインストール

ここからは、VirtualBox で Ubuntu 22.04 を起動し、
ターミナル上でコマンドを一つずつ実行して ROS のインストールを行っていく。

本ページ以降に登場するコマンドは長いものが多いため、前ページで解説した
「Windows のブラウザでコピーしたコマンドをUbuntuのターミナルに貼り付けて実行」
という方法で一つずつ確実に実行しよう。

それがうまく行かない環境の場合、
「Ubuntu のブラウザでコピーしたコマンドをUbuntuのターミナルに右クリックから貼り付けて実行」
すれば良いのだった。

まず、以下の 3 つのコマンドを一つずつ順番に実行しよう。
 sudo apt update

 sudo apt -y install software-properties-common

 sudo add-apt-repository -y universe
「一つのコマンドを Windows でコピー」→「Ubuntu 上のターミナルで右クリックして貼り付け」→
「Ubuntu 上のターミナルでEnter キーを押して貼り付けたコマンドを実行」というプロセスを三回繰り返すわけである。
どのコマンドも、左端から右端まで確実にコピーしよう。
また、パスワードが求められたら適切に入力すること。

次に、以下の 4 つのコマンドを一つずつ順番に実行しよう。
三番目および四番目のコマンドはかなり長いので、左端から右端まで確実にコピーして実行しよう。
 sudo apt update

 sudo apt -y install curl

 sudo curl -sSL https://raw.githubusercontent.com/ros/rosdistro/master/ros.key -o /usr/share/keyrings/ros-archive-keyring.gpg

 echo "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/usr/share/keyrings/ros-archive-keyring.gpg] http://packages.ros.org/ros2/ubuntu $(. /etc/os-release && echo $UBUNTU_CODENAME) main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/ros2.list > /dev/null
ここからが、ROS2 に関連するソフトウェアのインストールである。二番目と三番目のコマンドはそれなりに時間がかかる。
 sudo apt update

 sudo apt -y install python3-argcomplete python3-colcon-common-extensions python3-vcstool git

 sudo apt -y install ros-humble-desktop ros-humble-gazebo-* ros-humble-cartographer ros-humble-cartographer-ros  ros-humble-navigation2 ros-humble-nav2-bringup
以上で ROS2 のインストールは終わりである。


TurtleBot3 用のツールのインストール

ROS2 のインストールが終ったら、次は TurtleBot3 用のツールのインストールを行う。
TurtleBot3 という ROS の公式ロボットを制御するために必要なツールである。

もちろん、自宅で TurtleBot3 を所有している人はそうそういないだろう。
しかし、TurtleBot3 の「シミュレーション」を行うためにここから解説するツールが必要になるのである。
言い替えれば、本資料は、自宅に Ubuntu や TurtleBot3 が無い場合にも行える演習を解説することが目的ということになる。

それでは、Ubuntu のターミナルで以下のコマンドを実行しよう。
 sudo apt -y install ros-humble-dynamixel-sdk ros-humble-turtlebot3-msgs ros-humble-turtlebot3 ros-humble-turtlebot3-gazebo
実行が終わったら、以下の 4 つのコマンドを一つずつ順番に実行しよう。これらはどれもすぐに終わる。
 source /opt/ros/humble/setup.sh

 mkdir -p $HOME/colcon_ws/src

 cd $HOME/colcon_ws

 colcon build --symlink-install
最後に、以下の 6 個のコマンドを一つずつ順番に実行しよう。これらもすぐに終わる。
 echo 'source /opt/ros/humble/setup.bash' >> ~/.bashrc

 echo 'source /usr/share/gazebo/setup.bash' >> ~/.bashrc

 echo 'source ~/colcon_ws/install/local_setup.bash' >> ~/.bashrc

 echo 'export ROS_DOMAIN_ID=30 #TURTLEBOT3' >> ~/.bashrc

 echo 'export TURTLEBOT3_MODEL=waffle_pi' >> ~/.bashrc

 source ~/.bashrc
なお、コマンドの中に「waffle_pi」という文字が見える。これは、TurtleBot3 のページ に見える右端のロボットを想定して演習を行うということを意味する。
「waffle_pi」以外には「burger」という設定も可能である。

以上が終ったら ROS2 の準備は完了である。次ページから ROS2 の演習を行っていこう。
次のページに進む前に Ubuntu を再起動しておくと良いだろう。



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