Windows で ROS のシミュレーションを行う (2)
ROS のセットアップ

このページでは、 前ページでインストールした Ubuntu 20.04 に、 ROS をインストールする。

ROS のバージョンと Ubuntu のバージョンは結び付いており、
Ubuntu 20.04 には Noetic Ninjemys と呼ばれるバージョンの ROS がインストールされる。

なお、Noetic Ninjemys は ROS バージョン1 の最終バージョンであり、
Ubuntu 20.04 より後にリリースされた Ubuntu には ROS バージョン 2 しかインストールできない。
そのため、ROS バージョン 1 の演習を行う本ページでは Ubuntu 20.04 を用いる必要があるのである。
本資料で「ROS」と言った場合、全て ROS バージョン 1 を指すものとするので注意すること。

なお、本ページの ROS2 対応版「Windows で ROS2 のシミュレーションを行う」も用意しているのでお好みで利用して欲しい。
ただし ROS バージョン 2 は、バージョン 1 と互換性がないので注意が必要である。

また、本資料の解説は基本的には ROS の公式チュートリアルTurtleBot3 の公式ドキュメント をベースにしている。

本ページは以下の内容を含んでいる。

ROS のインストール

ここからは、VirtualBox で Ubuntu 20.04 を起動し、
ターミナル上でコマンドを一つずつ実行して ROS のインストールを行っていく。

まずは ROS をインストールするため、以下の二つのコマンドを一つ一つ実行する。
本ページ以降に登場するコマンドは長いものが多いため、前ページで解説した
「Windows のブラウザでコピーしたコマンドをUbuntuのターミナルに貼り付けて実行」
という方法で一つずつ確実に実行しよう。

それがうまく行かない環境の場合、
「Ubuntu のブラウザでコピーしたコマンドをUbuntuのターミナルに貼り付けて実行」
すれば良いのだった。

二つのコマンドのうち一つめは長いので、左端 (wget) から右端 (... noetic.sh) まで確実にコピーすること。
 wget https://raw.githubusercontent.com/ROBOTIS-GIT/robotis_tools/master/install_ros_noetic.sh 

 bash ./install_ros_noetic.sh
実行すると、以下のメッセージが現れるので、Enterキーを入力して作業を進める。
いつも通りパスワードも要求される。入力後 Enter キーを入力するのであった。
(略)

PRESS [ENTER] TO COTINUE THE INSTALLATION
IF YOU WANT TO CANCEL, PRESS [CTRL] + [C]
必要なパッケージのダウンロードとインストールが行われるのだが、かなりの時間がかかる。
下記の表示が出たら ROS のインストールは完了している。
(略)
####
#### Running command: "make -j2 -l2" in "/home/student/catkin_ws/build"
####
[Set the ROS evironment]
[Complete!!!]
次に、以下のコマンドで ROS の必要なパッケージをインストールしよう。これは非常に長いコマンドなので、左端 (sudo) から右端 (markers) まで確実にコピーして実行すること。
いつも通り、パスワードの入力も求められる。
 sudo apt -y install ros-noetic-joy ros-noetic-teleop-twist-joy ros-noetic-teleop-twist-keyboard ros-noetic-laser-proc ros-noetic-rgbd-launch ros-noetic-rosserial-arduino ros-noetic-rosserial-python ros-noetic-rosserial-client ros-noetic-rosserial-msgs ros-noetic-amcl ros-noetic-map-server ros-noetic-move-base ros-noetic-urdf ros-noetic-xacro ros-noetic-compressed-image-transport ros-noetic-rqt* ros-noetic-rviz ros-noetic-gmapping ros-noetic-navigation ros-noetic-interactive-markers 
終わったら先に進もう。


TurtleBot3 用のツールのインストール

ROS のインストールが終ったら、次は TurtleBot3 用のツールのインストールを行う。
さきほど紹介した TurtleBot3 を制御するために必要なツールである。

もちろん、自宅で TurtleBot3 を所有している人はいないだろう。
しかし、TurtleBot3 の「シミュレーション」を行うためにここから解説するツールが必要になるのである。

言い替えれば、本資料は、自宅に Ubuntu や TurtleBot3 が無い場合にも行える演習を解説することが目的ということになる。

下記のコマンドをコピーして実行しよう。これが Turtlebot3 に必要なパッケージである。
左端 (sudo) から右端 (gazebo) まで、確実にコピーすること。
 sudo apt -y install ros-noetic-dynamixel-sdk ros-noetic-turtlebot3-msgs ros-noetic-turtlebot3 ros-noetic-turtlebot3-gazebo 
以上が終わったら、以下の二つのコマンドを一つずつ実行しよう。これらはすぐ終わる。
 echo 'export TURTLEBOT3_MODEL=waffle_pi' >> ~/.bashrc

 source ~/.bashrc
ちなみに、一つめのコマンドに「waffle_pi」という文字が見える。これは、TurtleBot3 のページ に見える右端のロボットを想定して演習を行うということを意味する。
Waffle Pi とは、Waffle というバージョンのロボットの頭脳を Raspberry Pi というコンピュータに置き換えたロボットである。

以上が終ったら ROS の準備は完了である。一度 Ubuntu を再起動しておくと良いかも知れない。次ページから ROS の演習を行っていこう。

なお、本ページの内容が終わったら、ターミナルで以下のコマンドを実行することで約 400MB 程度ディスクに空きが出来る。
インストール用にダウンロードした一時ファイルが削除されるためである。ディスクが不足してきたときに役に立つかも知れない。
 sudo apt clean



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