Excel-03: Excel を用いたグラフ作成 (理論グラフ作成)

前ページまで、実験データを元にグラフを作成できるようになった。
このページからは理論式が与えられたときにそのグラフを描く手法を学ぶ。

実験グラフと異なり、データを自分で作製しなければならない。

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データの作成とプロット

理論グラフを描くときも、まず Excel で表を作成することが出発点となる。 描くグラフは



に基づくグラフである。

まず、表を作成する。ωに対応する列と、理論値に対応する列を作成する。
まずセルA1 に「ω」、セルB1に「理論値」と記入しよう。



そして、上図のようにセルA2とセルA3にそれぞれ0、0.1と記入し、記入したセルA2とA3を図のように選択しよう。

そして、このまま 0、0.1、0.2、0.3 〜 2.9、3 とデータを作成したい。

そのためには、選択されたセルA2、A3の右下にある緑色の小さな正方形(フィルハンドル)をマウスで掴み、
下方向にマウスを移動するのだった。これをオートフィルと言う。



オートフィルを忘れた学生は「Excel-00(2): Excel への数値入力の基礎を復習すること。

オートフィルにより、以下のような入力データが完成する。



さて、ここからが出力データの作成である。

今、入力 0 に対応する出力のセルB2をクリックし、下図の式を入力しよう。



式の意味について解説する。 まず、入力の値は 0 という値そのものではなく、A2 という参照を用いる。
更に、ルートの値を計算するため、「SQRT(数値)」という型式の関数を用いる。(Square Root の略)
また、「x の y 乗」を表すためには「x ^ y」というように「^」演算子を用いる。

まとめると、セルB2 に入力するのは

=1/SQRT((1-A2^2)^2+1)

という内容である。この式が次式に対応することをよく観察しよう。



どうしても上の式をうまく書けない (書いてもエラーが出る) と言う場合、一旦セルB2をクリックしてキーボードのDeleteキーを押し、書いた式を削除しよう。

そして、次式をコピーして利用することを考えよう。

=1/SQRT((1-A2^2)^2+1)

まず、上式をマウスでなぞってからコピーし、キーボードの Ctrl-c によりコピーする。



そして、Excel のセルB2をダブルクリックしてから貼り付ければ (Ctrl-v) うまく行くはずである。



うまく行けば下記のように式が貼りつけられるので、Enterキーで確定させる。



どうにもならなくなったらこのコピー&貼り付けによる式の記述を試してみると良い。

なお、 SQRT 以外でしばしば用いられる数学関数を以下に挙げる

SIN(数値) sin(x) を求める。x はラジアンで計られる値である。
COS(数値) cos(x) を求める。x はラジアンで計られる値である。
TAN(数値) tan(x) を求める。x はラジアンで計られる値である。
PI() πの値を計算する。() の中は何も書かないが、「()」自体は省略できない。
EXP(数値) ex を計算する。e は自然対数。
LOG(数値) log10(x) を計算する。LOG(数値、a) と書くと loga(x) を計算する。
LN(数値) ln(x) (すなわち loge(x)) を計算する。e は自然対数。
POWER(数値1,数値2) 数値1 の 数値2 乗を計算する。(すなわち、POWER(2,3) なら 23)
^ x ^ y で「x の y 乗」を表す。「^」は関数ではなく演算子だが、良く用いられるのでここで紹介した。


さて、式を正しく入力できると、B2 セルには以下のように 0.707107 程度の値が表示される。
なお、何桁目まで表示されるかは、セルの大きさやフォントの大きさで変わるので、6桁目まで表示されないことはあり得るが、
あまりにもかけ離れた値 (例えば 2 など) が現れた場合、書いた式が間違っているので書き直さねばならない。



あとは、残りのセルにも同じような式を書き込んでゆけば表は完成する。

このような時にもフィルハンドルが使える。B2 がマウスで選択された状態で セル右下のフィルハンドルをつかんでドラッグする。



すると、値がどんどん入力され、表が完成する。
同じことは、B2 を選択して Ctrl-c (コピー) し、B3〜B32 を選択して Ctrl-v (貼り付け) しても実現できる。



このとき、何が起こっているかを数式バーを見て確認しよう。

セル B3 を選択し、数式バーを見ると以下の図のように、B3 は A3 をωとして理論値が計算されるようになっている。
これはすなわち、青い四角の相対位置関係がコピーされて赤い四角の相対位置関係ができあがった、ということである。
これを相対参照と呼ぶのだった。



表が完成したら、表の領域をマウスで選択しよう。
選択する際、実験グラフで行ったように、表全体をマウスで選択する方法がまず考えられる。
もう一つの方法は、マウスでA列の文字「A」から隣の文字「B」までをマウスでドラッグするようにA列、B列の2列を選択する方法である。

どちらかの方法で表を選択できたら、マーカーのない散布図を選んでグラフを描こう。
これまで数学などの教科書で見て来たように、理論式のグラフにはマーカーを付けない場合がほとんどである。

すると以下のような理論グラフが現れる。



実験グラフの時と同様、このグラフを次ページで設定して奇麗なグラフを作成しよう。



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