エネルギーの保存しない散逸系、例えば
「エノン写像」や「ローレンツアトラクター」におけるカオスでは
系にアトラクターが存在しました。しかし二重振り子のような保存系のカオスにはアトラクターは存在せず、
エネルギー E の値や初期状態に応じて、「トーラス」や「カオスの海」などが見られるでしょう。
保存系のダイナミクスについては「標準写像」シミュレータなどを参考にしてください。
さて、二重振り子のエネルギー E は以下のように運動エネルギー K とポテンシャルエネルギー U の和で書くことができます。
ラグランジュ方程式の定義によると、この二重振り子の運動は次の微分方程式によって記述されます。
これを角度の二階微分について解くと以下のようになります。
これをベクトル に対する微分方程式
とみなすことで、二重振り子の振る舞いを解析できます。