リドル・ベイスン for Android
スクリーンショット1
|
スクリーンショット2
|
|
|
ダウンロード (android 4.1 以降対応)
Google Play よりダウンロード
[操作方法]
- 画面を2本指でタッチして動かすことで、拡大・縮小を行うことができます。
- Menu ボタンを押すと、以下の操作を行えます。
- 領域リセット : 集合をデフォルトの状態に戻します。
- 色の変更 : カラーモードを選択できます。
- 拡大率 : 拡大率を変更できます。
- 画像の保存 : 画像を保存します。
[解説]
以下のような2次元の写像を考えます。
xn+1 = xn2 - yn2 -xn - λ yn
yn+1 = 2xnyn -λxn + yn
この系は、複素写像
zn+1 = zn2 - (1+λi) zn*
の実数部 x と虚部 y に対応する写像でもあります。
この写像は以下の図のように、3つの (カオス) アトラクターを持ちます。
赤、緑、青で表された線分群がそれぞれアトラクターであり、
その内部でカオス的な時間発展をしています。
ちょうどロジスティック写像のような1次元のカオスダイナミクスを
想像すれば良いでしょう。
今、あるアトラクターに引き込まれる初期点の集合を、そのアトラクターの
ベイスンと呼びます。
2次元相空間上で、3つのアトラウターのベイスンを調べるのがこのシミュレータです。
赤色の領域は赤い線分のアトラクターに引き込まれる領域を表しています。
色が白に近付くほど、速くアトラクターに収束することを表しています。
緑、青についても同様です。
この時、特徴的に見られるのは、各アトラクターのベイスンが
複雑に入り組んでいることです。
実際、赤いアトラクターのベイスンのどのような領域を拡大しても、
必ず緑や青のアトラクターのベイスン内の点が出現することが
わかります。
このように、非常に入り組んだ構造を持ったベイスンは
リドル・ベイスンと呼ばれます。
リドル・ベイスンが存在するためには、以下の条件が必要であることが知られています。
- 不変な部分空間 (このシミュレータではそれぞれのアトラクター) が存在し、その運動はカオスである。
- 不変な部分空間の垂直方向のリアプノフ指数は負。すなわち、不変部分空間はアトラクターである。
- 不変部分空間以外にも別のアトラクターがある。
力学系のこのような複雑な性質は、
低次元の特殊な方程式でのみ現れるものというわけではなく、
高次元ダイナミクスでは自然と現れる普遍的な現象であると考えられます。