Word-07: 長いレポートを書く際に必要な知識


ここまでの演習では、Wordで書く文章の分量としてはせいぜい1ページか2ページ程度であったが、
レポートや卒業論文などでは、長い文章(典型的には5ページ以上)を書かねばならなくなる。

そのようなときには、特有な知識が必要となるので、ここで一気に学んでしまおう。

はじめに

本ページでは長い文章を書く際の注意を学んで行くが、 ここで皆さんに長い文章を書いてもらうのは無理がある。
そこで、長い文章の例としてあらかじめ記述済みのファイルをダウンロードしてもらい、 それを編集していく、という方針を取る。

long-report.docx をまず各自のドキュメントフォルダ以下に保存し、開いて欲しい。
リンクをクリックした後で現れる画面で「名前をつけて保存」をクリックし、ダウンロード場所を選択した上で保存する。
ダウンロード後に現れる黄色いバーの領域で「ファイルを開く」か「フォルダーを開く」をクリックすると良い。

開くと、下記のように「レポート 先進工学部とは何か」という文章が現れる。
ちなみに、この文章は工学院大学の先進工学部紹介ページから文章をコピーして来たものである。





ページ番号をふる

複数のページに章を書く際、ページ番号をふる癖をつけるべきである。

ページ番号がないと、その文書を見ながらミーティングをするときに「◯◯ページを見て下さい」のような指示ができなくなる。

ページ番号のふり方は、下図のように、「挿入」タブから「ページ番号」→「ページの下部」→「番号のみ2」を選ぶ。
(ページ下部中央にページをふる場合である)



その直後は、下記のように、ヘッダーやフッター(ページが記される領域)を編集できるモードになるが、
ページがふられていることを確認したら、下図のように「ヘッダーとフッターを閉じる」ボタンを押して構わない。



すると、通常のモードに戻り、(全てのページに)ページがふられていることがわかる。






編集記号を表示する

Wordを使っていると、重要なものが「見えない」状態になっていることが多い。 例えば、全角、半角の「空白文字」や、過去に学んだ「タブ」などである。

これらを目で見える形にしておくと、作業がしやすい。まずはやってみよう。

最も簡単なのは、ホームタブ内にある、下図の「編集記号の表示/非表示」ボタンを押すことである。

これはオン/オフのボタンになっており、家などでは一度オンにすると以後オンがデフォルトになる。



編集記号を表示するもう一つの方法は、下図の「ファイル」タブから「オプション」を選び…、



現れたオプション画面で、「表示」の「すべての編集記号を表示する」にチェックをいれ、「OK」ボタンを押せばよい。



以上のどちらかの方法で「編集記号の表示」をオンにすると、 下図のようになる。一見何が変わったかわからないかもしれないが、
赤字で示したように、全角空白文字は□で、半角空白文字は・で表示されていることがわかる。



これまで、改行の記号は矢印で表示されていたが、空白文字もこれと同じ扱いになったということである。

これは、Wordを使っている時間が長い人ほどありがたいと感じる機能ではないかと思う。
少し後に、この機能を使うメリットがもう一度出て来る。

なお、以前扱った「Welcome Party開催について」という文書を編集記号の表示がオンの状態で見ると下図のようになる。
「タブ」が「→」で表示されていることがわかるだろう。



なお、インデントやタブなどの段落書式について理解していない人が作ったWord文書を見ると下図のようになるだろう。
全角スペースで中央揃え、インデント、タブの代わりにしていることがわかるが、これはみっともない。
もちろんこれはダメな例なので、このような文書を作ることの無いよう注意しよう






改ページする

配布したファイルを眺めると、いくつかの章や節で構成されていることがわかる。
章や節の構成だけを抜きだしてみると、下記のようになる。



第1章 先進工学部とは 第2章 3つの特色 2-1 特色1 クォーター制 2-2 特色2 大学院進学を後押しする 独自プログラム 2-3 特色3 先進的技術で地球規模の問題を解決する 第3章 ハイブリッド留学 3-1 ハイブリッド留学とは 3-2 工学院大学のグローバル戦略 第4章 5つの学科 4-1 生命化学科 4-2 応用化学科 4-3 環境化学科 4-4 応用物理学科 4-5 機械理工学科

卒業論文などでは、これら章や節を新たなページからはじめることは良くあることである。
そこで、章や節ごとに改ページしてみよう。

まず、改ページしたい位置にカーソルを置く。ここでは「第1章 先進工学部とは」の手前としよう。

そして、図のように「挿入」→「ページ」→「ページ区切り」を選択する。



すると、下図のように「改ページ」という編集記号が表示され、「第1章 先進工学部とは」からの章が次のページからスタートすることになる。

この「改ページ」の記号は上で行った「編集記号の表示」の設定を行っているから見えるものである。



「編集記号の表示」の設定を行っていない場合、下図のように「改ページ」の記号は見えない。

このように、Wordをデフォルトの状態で使っていると、「存在するものが見えない」ことがしばしばある。
それを「編集記号の表示」により見えるようにすることで、Wordで何が起こっているか分かりやすくなる。



練習のため、すべての章(第○章)および全ての節(2-1、2-2、…)の手前で改行してみよう。

それを行うと、最後のページは15ページとなる。
(ページ区切りの挿入を14回行うので、やや面倒である)






表題に章タイトルにスタイルを設定する

先程ふれたように、この文書は下記のような章と節で構成されている。
これらが、章や節のタイトルであることをWord上で設定してみよう。

それを行うことで、Wordで自動的に目次が作成できるなどのメリットがある。
自動で目次が作られれば、卒業論文などで役に立つ。



第1章 先進工学部とは 第2章 3つの特色 2-1 特色1 クォーター制 2-2 特色2 大学院進学を後押しする 独自プログラム 2-3 特色3 先進的技術で地球規模の問題を解決する 第3章 ハイブリッド留学 3-1 ハイブリッド留学とは 3-2 工学院大学のグローバル戦略 第4章 5つの学科 4-1 生命化学科 4-2 応用化学科 4-3 環境化学科 4-4 応用物理学科 4-5 機械理工学科

まず、冒頭の「レポート 先進工学部とは何か」をタイトル(表題)として設定してみよう。

下図のように、「レポート 先進工学部とは何か」の行にカーソルを置いた後、「ホーム」タブの「スタイル」を「表題」にする。



同様に、下記の章のタイトルに対しては、下図のようにカーソルを置いた後、「ホーム」タブの「スタイル」を「見出し1」にする (4章分、4回実行する) 。



第1章 先進工学部とは 第2章 3つの特色 第3章 ハイブリッド留学 第4章 5つの学科





同様に、下記の節のタイトルに対しては、下図のようにカーソルを置いた後、「ホーム」タブの「スタイル」を「見出し2」にする (10節分、10回実行する)



2-1 特色1 クォーター制 2-2 特色2 大学院進学を後押しする 独自プログラム 2-3 特色3 先進的技術で地球規模の問題を解決する 3-1 ハイブリッド留学とは 3-2 工学院大学のグローバル戦略 4-1 生命化学科 4-2 応用化学科 4-3 環境化学科 4-4 応用物理学科 4-5 機械理工学科





全ての設定が終ると、画面左のナビゲーション画面に章と節の構造が表示される。これが目次を作るベースとなるものである。



もしナビゲーション画面が表示されなかったら、下図のように、「表示」タブの「ナビゲーションウインドウ」にチェックを入れる。






目次を作成する

以上を行うと、目次を作成することができる。

目次を作成したい位置(ここでは1ページ目)にカーソルを置き、「参考資料」→「目次」→「自動作成の目次2」を選択する。



完成した目次が下図である。



目次を作成した後でページ構成が変更された場合、下図のように「目次の更新」を行う。







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