金丸隆志の研究テーマ
いくつかのテーマに興味を持ち、研究を進めています。
それらを簡単に紹介します。

スマートフォン / シングルボードコンピュータ / 画像処理システム / 強化学習によるロボット制御
robot 学生との共同研究であるこれらのテーマに関しては、下記の研究室ページを是非御覧下さい。
脳の動的な振舞いの理解
 近年、脳の神経細胞群の活動から「振動と同期現象」、「パルスの相関」、「カオス」など、 脳の動的な振舞いに関するデータが視覚皮質や海馬などで数多く報告されています。 これらは従来の静的なニューラルネットワーク理論が予言するよりも豊かなダイナミクスを脳が有することを示唆しており、 これらの現象を理解しようという動きが世界的に進行しています。 私は「非線形力学」、「統計物理」などの手法を手がかりにこれらの現象に迫ろうと研究を行っています。

 「振動と同期現象」、「パルスの相関」、「カオス」は別々に研究されることが多いのですが、 現実の脳の中ではこれらは異なるモードとして動作しているのではなく、 脳内の高次元ダイナミクスを異なる切口でとらえた時に現われる現象であると考えられます。すなわち、これらは統一して考えられるべき概念であると思われます。

 私が最近研究している「興奮性/抑制性集団からなるパルスニューラルネットワーク」は上記の現象を全て見せるため、パルスレベルで脳の振舞いを調べる際に有用なモデルであると考えています。このモデルでは生理学実験でしばしば観察される「一素子では周期性は見出せないが、集団平均をとると現われる弱い周期振動」も観察されることも明らかになりました。

fireingtime  また、脳は神経細胞を単位として構成されていますが、素子の性質にはバラつきがあり、また素子間の結合も一様ではなく様々な構造を持っています。そのようなシステムの取り扱いにはシステムの確率的な取り扱いが不可欠であると考えられます。

JeJi  例えば、右のような 200 ニューロンの結合系のダイナミクスを考えましょう。 今システムにはノイズが加わっているため、各ニューロンはランダムに発火 (図中の赤色の点) します。 このようにランダムな系そのものを解析するのは困難ですが、 このシステムにて素子数無限大の極限を取り、各素子の確率分布の時間変化を調べると 左の図のように発火頻度の滑らかな軌道が得られます。

 この確率分布自体は決定的な時間発展に従いますので (Fokker-Planck 方程式)、 詳細な解析が行えます。

 このように確率的な手法を用いて脳のダイナミクスを解析することに興味を持っています。
非線形力学とカオス
脳の動的振舞を解析するツールとなるのが非線形力学です。こちらについては1997年からメンテナンスし続けている下記のサイトを御覧ください。

二足歩行ロボットの学習制御
bipedal1 人間が行う運動、例えば二足歩行を考えましょう。 歩行、と一言でいっても「平らな道を歩く」、「ジャリ道を歩く」、 「坂道を登る/下る」、「階段を登る/下る」など、その環境によって 様々な状況が考えられますが、我々はその状況に応じて転ばず器用に 歩くことができます。

これは我々が長い期間をかけて、環境に適応して歩く方法を学習して 体得してきているからであると考えられます。 皆さんもおよそ1歳の頃から、立ち上がって歩くことを学習してきたわけです。

それでは、ロボットは人間のように環境に適応して動作することはできないのでしょうか? また、ロボットも人間のように学習することによって運動や様々な情報処理を 体得することはできないのでしょうか?

それを考える学問分野がニューラルネットワークや学習理論と呼ばれるものです。 そのうち、ここでは特に強化学習という手法を用い、 人間のように試行錯誤で運動(特に二足歩行)を獲得するモデルの構築を目指しています。

強化学習による運動制御について、以下の Java によるシミュレータを御参照下さい。
ウェーブレット変換と画像認識
wavelet  ウェーブレット変換はフーリエ変換とは異なり時間的・空間的に局所化した信号を取り扱うのに優れているため、 画像のように周期性の低い情報の処理に向いていると考えられます。 画像に対してウェーブレット変換を行う Java によるシミュレータを以下に示します。  このウェーブレット変換を画像認識の前処理として用い、後段の認識部分には「統計的学習理論」や「ニューラルネットワーク」を用いて画像認識システムを構築することを考えています。その過程において人間の高次の知的情報処理の本質に迫れるのではないかと期待しています。


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