Word2007-06: 数式ビルダによる数式の記述

このページでは、数式の記述について扱う。数式を記述するのは、理系学生のレポートや論文を執筆する際には必須と言えるだろう。


どのような文書が作成できる?

数式の挿入機能を用いると、下図のように数式混じりの文書が作成できる。
図中、「ax2+bx+c=0」、「D=b2-4ac」、および3つの解の公式が数式として記述したものである。



この記述法を以下で解説する。


数式の形式 (Word 2007 と Word 2003 以前)

実際に数式を記述する前に、数式の形式について重要なことを述べておこう。
Word 2007 においては、数式を記述するために以下の2つの形式がある。 本講義では上の「Word 2007 で導入された新しい記述法 」 について学ぶことにする。
この形式の数式を含むファイルを保存する場合、「拡張子 docx」の形式で 保存しないと数式が壊れてしまうので注意しよう。

もちろん、 過去のバージョンの Word でも読める形式で数式を書きたいという場合も出て来るだろう。
その場合、本ページ一番下の 「Word 2003 以前でも読める数式を書くには?」 を参考にして欲しい。
どちらの方法も似ているので、片方を覚えればもう一方にも対応できると思う。



数式の挿入 (Word 2007 形式)

まず、文章を書き数式を挿入したい箇所でリボンの「挿入」タブから「数式」アイコンをクリックしよう。



すると、以下のように数式が記述される領域が現れる。



基本的にはキーボード上の文字 (0-9、a-z、A-Z、+、-、=、<、> など) と、リボン上のアイコンを駆使して数式を記述してゆく。
例えば、2 次方程式「ax2 + bx + c = 0」を記述する場合、 まずキーボードから「a」を入力する。

しかし、しばしばやりがちなことであるが、下図のように数式記述領域で 日本語を打ってしまうことがある。
これは誤りで、数式記述領域では全て半角英数字を打たねばならない



漢字変換 (MS-IME) をオフにしてもう一度数式を挿入しよう。 正しいのは以下のような状態である。



次に x2 を入力したいわけであるが、「2」が上つき文字となっているのが問題である。
このような場合、リボンの「デザイン」タブの「上付き/下付き文字」をクリックし、 選択肢から上付き文字を選択しよう。



すると、以下のように上付き文字を書くための枠が現れる。



そこで、矢印キーを用いてそれぞれの枠にカーソルを合わせ、「x」と「2」を記述する。



次に、2 次方程式「ax2 + bx + c = 0」の一つ目の「+」を入力するのだが、
上付き文字の「2」の後そのまま入力すると、下図のように「+」も上つき文字になってしまう。



上つきを解除するには、キーボードのボタンを押して、カーソルを右に移動してから記述すれば良い。
そうして2 次方程式「ax2 + bx + c = 0」を記述したのが下図である。



しかし、ここまでで終りではない。

通常、ほとんどの数学や物理の教科書では 数式は斜体 (イタリック) で記述するのが普通であるが、
記述した上の2次方程式は斜体ににあっていない。これを直そう。

具体的には、数式をマウスでドラッグして選択し、リボンの「ホーム」タブから「イタリック」 ボタンを選択すれば良い。
下図のように2次方程式が斜体になって完成する。



なお、そこから続けて文章を書く際であるが、下図の様に 数式記述領域の外に文章を書かねばならない



下図のように、数式記述領域内に文章を書くのは誤りである。







2次元形式と行形式

記述した2次方程式を用いて「2次元形式」と「行形式」という2つの形式について学ぼう。
これは Word 2007 で導入された概念である。

まず、上で行ったようにリボン上のアイコンを駆使して記述した数式を 「2次元形式」という。

この数式の右側の矢印(▽)をクリックすると 「2次元形式」と「行形式」の変換を 行えることがわかる。
ここでは下図のように「行形式」を選択してみよう。



すると、数式が下図のように変化する。先程リボン上のアイコンで指定した 「上付き文字」の部分が「x^2」と変化していることがわかる。



実は、リボン上のアイコンを用いなくとも、 キーボードで「x^2」とタイプすれば自動的に「x2」と変換してくれるのである (試してみよう)。
そうすると、マウスでアイコンを指定せずに数式が書けるので、数式の記述が 格段に速くなる。
マウスを使って複雑な式を書いたら、それを行形式にしてみると参考になる。

さらに、「\pm →±」、「\sqrt → √」なども知っておくと便利かも知れない。
(もちろん、これらの記号はリボン上のアイコンからも入力できる)

なお、上の行形式は一度見たら2次元形式に戻しておこう。



文中数式と独立数式

さらに、これも Word 2007 から導入された概念であるが、 「文中数式」と「独立数式」という概念がある。
「文中数式」とは文字通り文章の途中で挿入される数式のことで、 上で記述した「ax2 + bx + c = 0」は「文中数式」である。

一方、「独立数式」とは式だけで一行を成すような数式のことである。 その違いを以下で見よう。

まず、一番上の例で見た下図の解の公式は、文章の途中で数式が現れる「文中数式」である。
(「2つの実数解」の後で「TAB」キーを打っている)



この数式の右側の矢印(▽)をクリックし、「独立数式に変更」を選択してみよう。



すると、数式の行が変わり一行が数式のみである独立数式となる。

「文中数式」の場合は分子分母の文字がやや小さくなっていたが、
独立数式にすると、文字が均等な大きさになることがわかるあろう。



これも確認が終ったら「文中数式」に戻しておこう。



数式に関する注意

さて、数式には他にもいくつかの注意があるのでまとめておこう。 まず、三角関数、対数関数、極限を書いたのが下図である。



「sin」、「log」、「lim」は直接入力するのではなく、以下のアイコンから 入力することに注意。



また、「→」や「∞」などの記号は、以下の「記号と特殊文字」から入力する。 スクロールさせることで様々な記号が入力できる。



さらに、「数式はイタリックで書く」と注意したが、 「sin」、「log」、「lim」はイタリックにしないという習慣がある。
上の入力例もそうしたし、皆さんの数学、物理の教科書も必ずそうなっているはずである。

数式をイタリックにする際は、必要な部分のみにしよう



Word 2003 以前でも読める数式を書くには?

以上で見た方法で数式を記述すると、Word 2007 でしか読めないファイルとなってしまう。
(それとともに、保存も docx の形式でしか保存できない)

しかし、世の中ではまだバージョン 2003 以前の Word が広く使われているため、
Word 2003 以前でも読める形式で数式を記述しなければならない機会があるかもしれない。

ここではその方法を学ぼう。
まず、数式の挿入の際に「数式」アイコンではなく、 「オブジェクトの挿入」アイコンを選択する (下図)。



すると、以下のようなダイアログが現れるので「Microsoft 数式 3.0」を 選択して OK ボタンを押す。



すると、以下のような画面となり、数式を入力するモードとなる。
このモードの操作方法は 「Office 2003 の基礎」Word06: 数式エディタによる数式の記述 を参考にして欲しい。







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